長崎キワニスクラブ|世界の子供たちの為の国際奉仕団体

キワニスクラブは、奉仕活動を行う民間の団体です。

長崎キワニスクラブ設立10周年記念シンポジウム

2023-07-07

シンポジウム概要

・名称      長崎キワニスクラブ設立10周年記念シンポジウム

・日時      2023年6月25日(日)14:00~16:30 関係者名刺交換会 同日16:40~17:30

・場所      長崎歴史文化博物館1Fホール 

・寄贈式     純心中学校ビルダーズクラブから長崎みなとメディカルセンターへドール寄贈

・参加人数     約50~60名

・タイトル   「 問題を抱える子ども達に向き合うために地域ボランティアの役割を考える」

・講演者名

長崎県教育委員会 教育長 中﨑謙司様
特定非営利活動法人 フリースクール クレイン・ハーバー 代表 中村 尊様
一般社団法人 ひとり親家庭福祉会ながさき 事務局長 山本 倫子様
特定非営利活動法人 インフィーニティー 代表 野口 美砂子様
長崎ひまわりプロジェクト 事務局長 浦川 末子 様

開催目的

当クラブは国際的奉仕活動の幅を拡げつつありますが、今後は、国際都市・長崎に存在する「長崎キワニスクラブ」として世界にもより目を向け、これまでの活動に加えて更に国際的にも展開していきたいと考えています。また長崎大学等の学生から成る「サークルK」(設立日2019年10月15日)や純心中学校「ビルダーズクラブ」(設立日2023年1月18日)の協力を得ながら平和への理解を深める活動も継続して行っております。そのためこの奉仕活動を多くの皆様に知っていただきたく、当クラブ主催のシンポジウムを企画いたしました。このシンポジウムで子どもの抱える問題、それを支えるボランティア組織の課題等を広く周知し、今後の課題について考えること、またこれまでの10年を振り返り、キワニスクラブの社会的発信を鑑み、開催をいたしました。

実施内容

当日は悪天候のなか、聴衆50~60人の方に程度集まっていただきました。会場内の様子や雰囲気は、長崎県教育庁から広報していただけたため教育関係の方も多く来場され、シンポジウムの講演に耳を傾けていただけました。

  • 長崎県教育委員会教育長 中﨑謙司様

基調講演「教育行政から人口減少問題を考える・不登校児童生徒への対応実践・教員の成り手不足解消に向けて」をタイトルとして、現在の長崎県の教育課題を挙げていただきました。現在の取り組みや教育全般について行政の視点から、今後長崎がより良い方向に進むためには何をすべきか、また子どもに対する教育支援の重要性などを講演いただきました。

  • 特定非営利活動法人フリースクール クレイン・ハーバー 代表 中村尊様の「困難を抱えた子どもへのよりそい~子どもが力を発揮するために~」では、不登校児の支援の在り方や実際のサポート体制について講演されました。
  • 一般社団法人ひとり親家庭福祉会ながさき事務局長 山本倫子様の「子どもたちの未来をつなぐために」ではフードロスを利用した子ども食堂などの支援方法や、体験談を交えた講演されました。
  • 特定非営利活動法人 インフィーニティー 代表 野口美砂子様の「「未来の社会の創り手となる子どもたちのために、今できること」では、子どもが自己発信できるように力をつける場所を提供しつつ様々な教育支援について講演されました。
  • 長崎ひまわりプロジェクト事務局長 浦川末子様の「子どもの『孤独と空腹』を守り切る!」では、大人が子どもを抱きしめてあげることが根本的に必要なことを周知したいとありました。親だけではなく、子どもに今以上の関心を持ち優しく包み込む環境を整えることも大人の役割であると講話されました。

各講師15分間の内容を踏まえると、やはりまだまだ子どもへのサポート体制が十分ではないことが判かりました。地域ボランティアと子どもをつなぐ縦の糸と、キワニスクラブのような団体が社会全体にこのことを発信する横の糸も今後とても重要な役割となってきます。

子どもの貧困にフォーカスをあてたシンポジウムでしたが、様々な見識から各々の立場で感じられる課題を知る場となりました。また各講師の現場ならではの声が非常にストレートに伝わり「目に見えない貧困がここ長崎にも現実問題として起こっている」と気が付く機会となりました。

後半にはパネルディスカッションもあり、この中で交わされた意見ではサポートする側の共通課題も浮き彫りになりました。行政からの今以上の支援や、ボランティア活動を次の世代に引き継ぐための課題もありました。このようなパネルディスカッションを設けたことも、皆様には大変関心を持っていただけました。

また、キワニスドール寄贈式では小児医療の場で使用されるドールを、純心中学校生徒から長崎みなとメディカルセンター副院長の小寺宏平様へお渡ししました。生徒がボランティア活動の一環として作成したドールは今後子ども達の治療の場で使用されることと思います。

子どもへのサポートは一概に表せるものではなく、ステップを踏んで貧困から救い出す段階が必要です。またステップごとのサポートが必須であり、大きな支援が必要となってきます。我々の団体ができることを改めて認識し、子どもに対する意識を社会全体で考えていかなくてはいけません。昔では考えられない貧困の形を可視化し、今の社会で救い出せる手立てを構築することが重要だと感じました。

将来の展望

長崎キワニスクラブは、昨年の9月で10周年を迎えることができました。今年の1月には、10周年記念式典を挙行し、全国のキワニスクラブのメンバーたちが長崎に集いお祝いしていただきました。これもひとえに皆様のご支援の賜物であります。我々はボランティア組織で、本来ならば裏方でありステージにあがる必要もありません。しかし10年という節目の年であり、ひとつの区切りとして活動を振り返りました。「これからの10年」を考え未来を見つめるために、長崎県内のボランティア組織と手を携え、改めて情報交換の場を設定し、長崎あるいは子どもたちの将来を考え「ボランティア組織の進むべき道」を探ると主旨でシンポジウムを開催いたしました。
今回シンポジウムに参加していただいた皆様からの貴重なご意見として、
・子どもを守るには行政や民間関係なく社会全体で取り組むことが大切。このシンポジウムは子育
て世帯や多くの市民に聞いていただきたいと思った。
・多くの方に聞いていただきたい素晴らしい内容だった。
・「子どもを真ん中に子どもの声を聴き共に学ぶ」という大人の意識改革が必要。
・各講師の方の貴重なお話しを各市町に戻り、裾野で出来ることを考え、子育て支援事業に力を注
きたい。このようないい機会をもっと多くの方に聞いていただきたい。
・子どもたちの問題は多岐に渡っているため、行政が手の届かないところで活躍する民間団体の力
は必須。力を繋いで連携し子育て世帯に「支えていく」メッセージを今回のシンポジウムのよう
に伝えていくことが重要。
・子育て支援の転換。自身の意識改革がまずは必要。このよう場で「知る」ことが大切。
・素晴らしい会で、このような場に参加する人が増えれば子どもの未来も明るくなるはず。
以上がありました。
今回開催できたことにより今後のキワニスとしての使命感も生まれました。最も重要なことは「子どもたちの未来は、長崎の未来」であるという事です。行政だけではできないこと、民間だけではできないこと、学術団体ではできないことなど、ひとつの問題を解決するにも限界があります。しかし、産・官・学、そしてボランティア団体が力を合わせれば不可能を可能にすることもできるはずです。

今回のシンポジウムでは、長崎で活躍しているボランティア団体の諸活動を情報共有することによって、今、私たちが取り組むべき方向性を再確認し、子どもたちの未来を考える機会になったと思います。「問題を抱える子どもたちとどう向き合うか」というテーマですが、その背景には「少子高齢化社会におけるボランティアの役割を考える」というサブテーマも設定されております。
また長崎キワニスはこれからの10年を見据え、ボランティア活動を展開していく所存です。ボランティア団体の垣根を越えて、手を携え共に子どもたちのために「未来を創ろう」と強く思いました。長崎キワニスクラブだけでなく他のボランティア団体と、そして全国のキワニスクラブと一緒になって活動を展開していけば、活動の幅は広がるのではないかと考えます。
当日は、長崎県教育委員会の中﨑謙司教育長はじめ、ご登壇いただきました講師の皆さまには、各々の現場で想いを発信していただいたことは、キワニスにとっても大変貴重な経験となりました。
また本シンポジウムは、十八親和ふるさと振興基金から助成していただきましたことにより開催できたこと、心から御礼申し上げます。

 

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